アイルトンのDNA [Formula 1]
先週末の日曜日は、F1世界選手権第2戦のマレーシア・グラン
プリでした。
ここ数年というもの、毎年恒例の当初の予定では、第1戦のオー
ストラリアが準公道で開催されるグランプリでアスファルトの性
質がサーキットと異なるため、パーマネントコースで行われる最
初のレースとして、各チームの新車ポテンシャルを測るという意
味で重要なレースです。
がしかし、今年のレースはスタート時から雨模様で、途中雨量が
増して赤旗中断あり、その後も完全に乾くことなく最後まで走る
というウェットレースでした。
そのため、新車の性能が著しく劣るスクデリーア・フェラーリの
優勝や、中位のクルマで表彰台に上ったセルジオ・ペレス選手が
話題を掻っ攫って、3週後の上海グランプリに向けて盛り上がっ
てきているところです。
そんななか、印象的な強さを見せたのはウィリアムズ・ルノーに
乗るブルーノ・セナ選手。あのアイルトン・セナ選手の甥っ子で、
6位入賞です。奇しくもアイルトンの最終チームはウィリアムズ・
ルノーでした。
アイルトン・セナ選手といえば、少々強引ともいえる強い走りが
印象的なチャンピオンドライバーでしたが、とくに強い印象が一
層強くなるのが雨の中で、周囲のクルマがコントロールも大変な
印象で走っているなか、一人オン・ザ・レール状態で「乗ってる」
走りを見せたのが思い出されます。
今回のブルーノ・セナ選手も、かつてのアイルトン・セナ選手を
髣髴とさせる雨中の力強い走りで見事入賞し、セルジオ・ペレス
選手ほどではなかったかもしれませんが、サーキット上で堂々と
した振る舞いを見せてくれました。
ブルーノ・セナ選手がウェットコンディションを得意にしている
のは、昨年スパで見たベルギーグランプリの土曜日で目の当たり
にしており、もし今年もロータス・ルノーのクルマに乗っていた
ら、もしやひょっとしたらと思わずにはいられません。こちらも
奇しくも黒いカラーリングのロータス・ルノーです。
事実は小説より奇なり。
そんな日を楽しみにしていようと思います。
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スクデリーアのゆううつ [Formula 1]
むかし「ツレちゃんのゆううつ」というファニーでシュールで
確かにちょっと憂鬱という「ちびまる子ちゃん」のような漫画が
ありましたが、これは漫画の出来事ではないでしょう。
凋落はいつから始まったのか。
スクデリーア・フェラーリの最後のチャンピオン獲得は2007年
と、もう5年前の出来事になってしまった。強かったあの頃とは
皇帝ことミハエル・シューマッハーが引退する2006年以前の
頃を指すのは衆目が一致するところだけれども、強さに陰りが見え
たのは2005年だ。そのとき何があったのか。
自動車競走の道具であるレーシング・カーが、速く走るための一番
大きなファクターは空力だ。
強力なエンジンで軽い車体を走らせると、スピードが増すにつれて
車体が浮こうとする。車体が浮けばタイヤも浮き上がりステアリン
グが効かなくなるのは、雨の中を走る乗用車と同じ。だから車体を
地面に押し付けるダウンフォースが必要不可欠なのがレーシング
カー。
昨今のF1のように、エンジンの開発が規則で凍結されてしまうと、
速く走ろうとするエネルギーは一定で不変だから、なお一層空力の
重要性が高まる。
「なお一層」と書いたのは、とにかく闇雲にダウンフォースを稼ぐ
というのではなく、同じダウンフォースを稼ぐのなら「効率的に」
と質的側面が最重要課題になっているほど進化しているからで、
車体の形だけでなくエンジンからの排気ガスも積極的に利用しよう
とするのが昨年までの話。
今年はその排気の利用方法も規制が掛かって、規則で失われたダウ
ンフォースをどうやって回復するかにテーマが集中しております。
以前にも書きましたけれども、競技車両に関らず良いクルマとは
軽くて、重心低くかつ重量物が車両中心に集まっていることですが、
多くのチームはその良いクルマの教科書通りの開発を行って新車
登場となりました。
しかし、開幕戦を勝利で飾ったマクラーレン・チームは教科書通
りのクルマなのでしょうが、一見そうは見えない第一印象です。
これはイレギュラーなのでしょうか?
開幕戦オーストラリアのサーキットとは、普段は公園の周遊道路
として使われている場所なのだそうで、レース専用サーキットと
はアスファルトの種類が違います。
ここでスムーズに走るには足回りの柔らかさが重要であり、正に
マクラーレンチームの得意分野が効を奏した印象です。
対して、セオリー通りに新車を開発してきたチーム、とくにスク
デリーア・フェラーリは足回りが固いのか、そもそも地(路面)に
足(タイヤ)が着いていないのかと思うくらい車体が浮き上がって
走っていて、あれではドライバーはクルマを走らせるだけで汗で
ビッショリになるような状況でしょう。
そのようなダウンフォース不足は、今に始まったことではありま
せん。それは2005年からの長いお話です。
この年、2000年代の黄金時代を築いた空力設計者ロリー・バー
ン氏が事実上引退。手下として働いていたアルド・コスタ氏にバ
トンタッチしました。
その後発表されるモノポストマシンは泣かず飛ばずが長く続き、
駄作が決定的となった昨年にはコスタ氏もスクデリーアから姿を
消しました。
流体力学の世界は理論と実際とに乖離があるのが現実だそうです。
いくら実験しても理論値をそのまま当てはめて再現するのが難し
いということでしょう。
すると、起こっていること(レース結果)が正しい指標なのだから
実際に理論値を合わせ込む技量が必要になるはずです。そのレベ
ルのエンジニア兼ディレクターが不在だったこと、または、その
くらい絶対的ともいえる強権を握る人間の存在を許さない組織文
化が不振の原因ではないのか。
なんだか昔話を聞いているような雰囲気になってきました。
そのころスクデリーアでステアリングを握っていた人物が、先日
インタビューで同内容のコメントを残しています。
ゆううつが漫画の話ではないのは、漫画のように全体像が単純で
分かりやすいわけでないのと、自動車競走という人間の本質的に
は不必要な活動を真剣に営んでいることに対して、漢字で憂鬱と
書くのが不適切のように感じるからでもあります。
かつて、長年不振を極めたスクデリーアに対して、腐っても鯛と
表現する人がいましたが、ファンというのはそういうもの。片や
「フェラーリが優勝したいなら事は簡単だ。ミハエル・シュー
マッハーを乗せればいい」と達観した人がいました。
だから、パドックで囁かれているように、今ならこう言うのが最
適でしょう。「フェラーリが優勝したいなら事は簡単だ。エイド
リアン・ニューウィーに作らせればいい。」
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Formula 1 2012 [Formula 1]
早くも3月に入り、そろそろ自動車レースの最高峰Formula1も開
幕まで2週間に迫ってきました。
ここ数年2月初旬に新車がデビューし、約一ヶ月間2~3度のテス
トを経て、3月中旬に開幕というスケジュールが続いていますが、
レースシーズン中のテストが原則禁止になってからというもの、今
の時期のテストはクルマの基本スペックの確認と信頼性確保という
年間を通じた「伸びしろ」を確保するための重要な時期にあたりま
す。
もちろん、ライバルチームが秘密の最新兵器を投入すれば、その効
果と開発を巡って競争がスタートしますから、自動車競走というフィー
ルドでは他所のチームの開発にも関心は向けられます。
この点で、昨年新車デビューから冬季テスト中に開発不十分を認め、
開幕までのわずか2週間で遅れを挽回してきた素晴らしいチームが
マクラーレンで、昨年は唯一凸型サイドポッドを採用して注目を浴
びたのは記憶がまだ新しいですが、今年も他チームが段付きステッ
プノーズを採用したのに対し、マクラーレンだけは従来通りのスラ
ントノーズです。
それに加え、昨年のユニークなサイドポッドはノーマルな形状に戻
り、他チームのクルマとマクラーレンチームのクルマとでは別カテ
ゴリの車両ではないかというくらい違いますが、いざ走ってみると
トップに食い込んでくるのは流石としかいいようがありません。

またドライバーで見ると、今年はベッテル選手、ハミルトン選手、
バトン選手、アロンソ選手、シューマッハー選手、ライコネン選手、
と6人ものチャンピオンドライバーがいて、さらに2人のニコやペ
レス、我らが可夢偉選手等々の若手伸び盛りも元気のいい走りを見
せてくれそうですので、クルマのルックスというネガティヴファク
ターよりドライバーの闘いというポジティヴファクターに注目したい
です。
TVの中継は、長年地上波で放送してきたフジテレビが放送を終了
してBSに移行することになりましたが、公然の秘密としてレース
当日の放送を要求する胴元と、放送内容の編集や時差の関係、レー
ス時間帯と放送時間帯を一致させることが難しい市場性などからの
放送終了なのでしょう。
高額の放映権を維持しての収益確保がいかに難しいかを感じますが、
ファンとして危惧するのは、リーマンショックやソブリンショックを
経てもなおF1サーカスを維持するヨーロッパに対し、日本のモー
タースポーツが右肩下がりの下降線を描き続け、文化を維持できな
いことの方が大問題だろうということです。
シンプルに考えて、年間で20戦前後しか開催できないレースのキャ
パシティと、国際的イベントとしてF1を開催したいと望む諸国との
あいだでは、モナコと他数年を除いて競争関係にある。もう少しスト
レートな言い方をすれば競争入札で決まるということです。
現在そこそこの規模の市場があるといってそこに安住するのは、冷え
ていくぬるま湯につかっている状態と同義ですから、仮に現在小さく
ても覇気のある成長市場の方が魅力的な入札者に映るでしょう。
そのあたりの認識を忘れていると、ある年からレース開催もTV中継
もなくなりました、なんてことになりかねないと感じる出来事があっ
た年だと記録しておきたいです。
目的が維持だとしても、長期的にはこれまでなかった魅力を作り出せ
るような新しいルールを持ち込むことが求められていることは間違い
ありません。
レッドブルチームはそれをやって成功し、現在がありますね。
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モンツァサーキットの旧オーバルトラック [Formula 1]
クとしてF1グランプリも開催されるアウトードロモ・ナツィオナーレ・
ディ・モンツァですが、その有名なトラック図にいつもでてくるオー
バルコースについては、かつて使用中止になったとされるだけで、
現在ではあまり触れられることがありません。
富士スピードウェイのように、コース図から消えてしまっていれば
普段から意識することはあまりないのではないかと思うのですが、
こちらはいつも描かれていて忘れられないので、一体どのようになっ
ているのかと不思議に思っていました。
3年前になる前回は非常に珍しい雨天だったので、とても旧オーバ
ルまで見る余裕がなかった(なにしろ、サーキットというのは1周数
キロあるのが普通で、同じ場所とはいえサーキットトラックとオー
バルトラックと2つあれば、サーキット2箇所分を移動しないとい
けないのです)ため、今回晴れてようやく念願叶って覗いてみること
ができました。
現在も使われるサーキットトラックとオーバルトラックとは、ホー
ムストレートを共有していたようですが、バックストレートは現在
駐車場(笑)として使われています。

そこからバンクのついたカーブに入るのですが、そこには係員がいて
立入禁止。遠くからバンクの写真を撮ることだけが許されました。

オーバルトラックはコンクリート製で、コンクリートの上にアスファ
ルト舗装がされていたようです。
使用中止になってから年月を経ているせいか非常に劣化が進んでおり、
裏側をのぞくと鉄筋が剥き出しになって赤錆の姿をさらしています。
クルマが単独で走行するくらいなら今でも問題なさそうですが、複
数の車両が高速でレースをするのは危険というレベルに見えました。
今後使用されることはないのだろうと思いますけれども、すぐに取り
壊してしまったりしないところがイタリアらしく、また今後も長く残
してもらいたい歴史の証人です。
感謝!
Formula 1 Gran Premio Santader d'Italia [Formula 1]
2週間ぶりにお目に掛かります。F1グランプリ・サーカスの時
間です。今夜のドライヴのパートナーは城達也です。冗談です。

F1グランプリのレースを2戦連続で観戦するというのは、そん
なに珍しいことではないと思います。古い話になりますが、阪神
大震災があった年には鈴鹿の日本GPと英田のパシフィックGP
が2週連続の連戦になりましたし、昨今では開幕フライアフェイ
でオーストラリアとマレーシアとか、中東付近などロジスティク
ス効率の条件がよければ積極的に開催されるので、近くで2戦観
戦というのは意外と容易です。
また年間で2戦観戦というのは、こちらも意外と珍しいことでは
ないようで、前戦のスパ=フランコルシャンでご一緒したシンガ
ポール出身の美人一人旅の女性は今年2戦目だと言ってました。
私自身も3年前に、ここモンツァと鈴鹿で2戦観戦をいたしまし
た。
要するに、ここまで引っ張ってきて何が大きく違うかといえば、
気温が違います。2週間前のフランコルシャン村は13度、今週
のミラノ・モンツァ国立公園は33度。スタンドに座っていると
日射病で倒れそうになるからか、周囲の外国人男性は上半身裸で
す(本当です)。
記憶もわずか2週間にも拘らず、その間にあちこち行ったからか
もしれませんが、遠い昔の去年のことのようです。そのくらい気
温というのは人に大きく影響をするのかと思いました。
気温が人に大きく影響すれば、ちょっとしたセットの変化でスピー
ドが20Km/hくらい変わってしまうF1マシンにも大きく影
響がありそうですが、3年前とはコースの反対側の1コーナーで
みるF1マシンはタイヤを如何に使うかという今年のメインテー
マが顕著に表れているようでした。
レースの方は、テレビを録画等してこれからご覧になる方もいらっ
しゃるでしょうから、またも触れませんが、1コーナーのシケイ
ン外側でみたブレーキングからターンインの上手なドライバーを
列挙しておきましょう。
セバスチャン・ベッテル(※)
ルイス・ハミルトン(※)
フェルナンド・アロンソ
ミハエル・シューマッハー
エイドリアン・スーティル(※)
セバスチャン・ブエミ(※)
ヘイッキ・コヴァライネン(※)
我らがザウバーの小林可夢偉選手は、クルマのバランスがあまり
よろしくないようで、彼の得意のブレーキングに切れがありませ
ん。セッティングが決まっていないのでしょうか。
またタイヤ温存作戦で優しく運転している可能性がありますけれ
ども、過去数戦でこの作戦は失敗に終わっていることが多く、オー
ソドックスな作戦で臨んでいるチームメイトのルーキーにパフォー
マンスの記録面で劣ってしまっているのが残念です。
セルジオ・ペレス選手は非常に順応力が高く、同じミスは決して
2度繰りかえさず成長を続けている素晴らしいドライバーです。
私が個人的に気になっているのは、ミハエル・シューマッハー選
手で、1コーナーの進入は職人芸のように機械的正確性をもって
クルマを操っているのが印象的です。
ハミルトン選手とのバトルでは、毎週サイドミラーを見ながらシケ
イン2つ目でステアリングの切返し量をコントロールしていたの
がさすがベテランというところです。
先のドライヴァー評で(※)印をつけたドライヴァーは1コーナー
のシケインを切り返している最中でもスロットルを開けており、
(※)印の5人に加えてルノーのペトロフ選手、チームメイトのニ
コ・ロズベルク選手の8人はシケインをクリアした後の立ち上が
りスピードが抜きん出て速いのが印象的でした。
ザウバーとスクデリーア、ウィリアムズのマシンは、シケイン2
個目で縁石を使うことができず(使うと姿勢を崩して加速のタイ
ミングが遅くなる)、丁寧におとなしく運転しないと遅くなって
しまう基本的特性において問題がありそうです。
そこのところ、レッドブルのヴェッテル選手はここでも一頭抜く
速さを見せており、レーシングカーはトラクションさえ空力だよ
と言わんばかりでした。
最後にアスカリ・シケイン前の写真をお見せしましょう。シケイ
ン進入前の300m前から看板があるサーキットなど、ここモン
ツァが世界で唯一でしょう。ハイスピード・サーキットの本性を
静かに見せ付けているように感じました。

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グランプリ今昔物語 [Formula 1]
自動車競走の歴史は、自動車発展の歴史と並行しています。
21世紀の現在でも自動車は決して安い買い物ではありませんが、
昔は一握りの金持ちが一生に一台買うかどうかであったろうことか
らして、通勤や家族サービスの道具ではなく、もっぱら趣味の道具
だったからこそ技量やスピードを競うようになったようです。
そういう一部の特別な存在だった自動車と自動車レースにとって、
現在のように競技用施設としてサーキットが常設されているなどと
いうことは少なく、レースイベントの際に既存の道路を歩行者天国
よろしく一時的に閉鎖して、一般大衆の観客を巻き込んでスポーツ
と興行が開かれてきました。大相撲の名古屋場所や九州場所と同じ
ですね。
さて、今回訪れたスパ・フランコルシャン・サーキットは、つい10
年ほど前まで、一般公道を封鎖する伝統的なオーガナイズでF1レー
スが開かれていた、本当にオーセンティックなグランプリで今でも
その名残が残っていました。
ベルギーの首都ブリュッセルとドイツのユーペンを結ぶ幹線鉄道上
ヴェルヴィエールからのシャトルバスが到着するのは、名物1コー
ナー「ラ・ソース」の手前です。
グランプリ観戦客相手のスナックバーやアパレル販売のテントが両
側に並び、ホテル・ラ・ソースを過ぎて突き当たるゲートはそのま
ま本当にラ・ソースに出てしまうコース直前でした。


スパでのF1は初めてのため、王道のオー・ルージュは外せないと
スタンドのチケットを確保しましたが、土曜のフリー走行には寒風
が吹き荒れ吐く息が白くなるほどの寒さだったため、とてもその場
にジッとしていられず歩くことにしてサーキットを一周しました。
ラディオン上からケメル・ストーレートをエンドまで歩いてシケイ
ンが山状に勾配がついているのを確認しつつ、シケインを曲がらず
に直進すると、そこは再び中央に白い破線の入った一般公道である
ことが分かります。

こちらもまたランオフエリアのところに即席の鉄条ゲートがあり、
そのまま山の中の峠道につながっているのでした。

歴史的にみて、今でも一般公道を封鎖して開催されるグランプリに
モンテカルロに代表される市街地コースと、その派生形になるメル
ボルンやモントリオールがあり、片や常設のとりわけF1開催のた
めに建設されたクアラルンプールやイスタンブール等があり、これ
らのちょうど中間にスパやシルヴァーストンやモンツァがあります。
世界各国の様々なサーキットでグランプリが開催されていますけれ
ども、とりわけ魅力的なレースが行われるのは自然発生から伝統に
なって現在でも継続されているコース、歴史に耐えて生き残ってい
るからこその理由ではないではないでしょうか。
F1のために新規建設されるサーキットでグランプリを開催するの
は、確かに新鮮な観客をサーカスに引き込む効果があり、社会にニュー
スを提供し続けられるメリットも大きいわけですが、それ以上に現
在のグランプリの価値構築に大きな功績を挙げてきたクラシック・
コースと呼ばれるサーキットには、この功労を称えるだけの永続性
の価値を付加してグランプリ・サーカスを再創造するような正攻法
でのFormula1であって欲しいと願います。
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Formule 1 Shell Grand Prix de Belgique [Formula 1]
スパ・フランコルシャン・サーキットで開催される伝統の一戦を
観に来ました。

F1の世界で伝統の一戦といえば、モンテカルロの市街地で開
催されるモナコGPが通り相場で、またクラシック・サーキット
でのグランプリといえば、次戦が開催されるイタリアGPの舞
台であるモンツァ・サーキットと決まっておりますが、はっき
り申し上げて、ここスパこそがワールド・チャンピオンシップ
中で最高の舞台です。断言します。

現地に来て驚いたのは、TVで観る印象とはまったく違うコー
スの難易度で、テレビの画面ではF1マシンではスピードが速
すぎて簡単に走っているようにみえるコースが、実際に現地を
訪れると、アップダウンが大きくしかも連続するコースに唖然
とします。
例えば、テレビで観る1コーナーのラ・ソースは、一見ずっと
フラットに見えますが、実際にフラットなのはどこにもなく、
ホームストレートは上り、ヘアピンを境に今度は下り、昨日書
いたオー・ルージュの小川を境に10度はあろうかという登り
です。
ケメル・ストレートの先から始まる下りもフォーミュラ・カー
で走るとは思えないほどの下りで、オー・ルージュからスタブ
ローまでの区間は、ほとんど峠道をレーシングカーで攻めるよ
うな感覚に違いありません。本当にアンビリーバブルなんです!

このあまりにも他のサーキットとは違う点が、グランプリのな
かのグランプリと言いたいところですが、まったく同じ理由で
現在のグランプリの標準を、良くも悪くも超えてしまっている
とも感じました。
レースのほうは、これから録画をご覧になる方もいらっしゃる
でしょうから触れませんが、このグランプリがデビュー20周
年に当たるミハエル・シューマッハー選手が殊更に取り上げら
れていて、レース前のドライバーズ・パレードでは一番先頭で
R129に乗って手を振っていました。
今年のレースで印象的なのは、他グランプリと同様にDRSと
KERSの組み合わせですが、どんなハイテク・デバイスがあっ
ても、やはりコースの良し悪しが前提になることを再発見しま
す。
スパ・フランコルシャンは、ベルギー南東部の山間部にあり、
こんな遠くの山奥まで誰が観に来るのかと思うほどですが、グ
ランプリのなかのグランプリ「The Grand Prix」
と分かっているからこそのチケット完売、自由席には鈴生りの
人だかりになるのではないでしょうか。

興行的には厳しいという話を耳にしますが、こういう本物こそ
永遠に伝承してもらいたいと思います。
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赤い水 [Formula 1]
英語ではRed Water、フランス語ではEau Rouge、
イタリア語ではAqua Rossa。行き過ぎました。フランス
語の赤い水が本日のテーマです。
F1ベルギー・グランプリが開かれる、スパ・フランコルシャン
サーキットが世界に誇る名物コーナーがオー・ルージュ。赤い水
の意のフランス語です。
実際のサーキットはフランコルシャン村にあるので、スパと略さ
れたり、もうひとつの名物である変わりやすい天候をスパ・ウェ
ザーと評されたりするのは、フランコルシャン村の皆さまに少し
気の毒に思っていたのですけれども、世界中の人が何と言おうと
この素晴らしいクラシック・コースが永遠に世界一なのは、フラ
ンコルシャン村に流れる小川の赤い水のおかげに違いありません。

ご覧いただいた通り、赤い水は実際には茶褐色をしており、茶色
の水といえばスコットランドでのウィスキー蒸溜所近くの小川で
よくみられるピートを含んだ水を思い出しますが、こちらの茶褐
色はピート層を潜ったことによるものではなく、鉄分を含んだ土
壌の層を潜ったものだからだそうです。
また、サーキットの名物の名前になっている坂道とコーナーをオー・
ルージュと呼んでいますけれども、実際にこの小川があるのは1
コーナーのラ・ソースから下って上りの坂道に右に曲がるところ
の正に谷底をサーキットのコースを横切るようにあって、当所の
皆さまは当然のように立て看板ひとつなく静かに世界最高のF1
レースを見守っています。

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分水嶺シルヴァーストン [Formula 1]
先週末はイギリス・グランプリ。モンテカルロ、モントリオール、
ヴァレンシアと市街地のお祭り気分3連戦がひと段落して、本来の
サーキットに戻ってくるのはUKシルヴァーストンというところが
雰囲気が盛り上がって良かったです。
やはり一度は行ってみたいと強く思いました。そして、ようやく
スクデリーアの今季初優勝でした。
レースの内容はニュースサイトや雑誌、ファンの方のブログ等を
ご確認いただくとして、シーズン中に規則について2つの大きな
変更がありました。
ひとつはアクセルを戻したときの排気の制限を今回のレースから。
もうひとつは2014年からのエンジン規定について。
ひとつめの影響は、クルマのダウンフォース量が減ることによる
パフォーマンスへの影響で、レッドブル、マクラーレン、ルノー
等々に影響があったようです。
しかしながら、グランプリをみるとレッドブルの最速は変わらず、
マクラーレンも決勝で強いパフォーマンスを見せ、これらを理由
にフェラーリのフェルナンド・アロンソ選手が勝ったと言い切る
のは難しいところです。
昨日のニュースでは、この規則変更を前回のヴァレンシア・レベル
に戻すことになったそうですので、今年のサーカスは従来の流れ
で進みそうです。
今回が従来の流れと違ったのは、ザウバー・チームの小林可夢偉
選手も同様で、エンジンオイル漏れという初歩的なトラブルでレー
ス完走になりませんでした。残念。
もうひとつの新エンジン規定については、FIAが直列4気筒ター
ボで決めていたところに、一部のチームやレースのプロモーター、
Mr.Eが反対してひっくり返りV6ターボになったとか。
その反対していたチームの代表格がフェラーリで、エースドライ
ヴァーと契約を更新しながら新規定が決まりならF1を辞めると
口と足が逆さまを向いた動きだったのですが、それにはもちろん
訳があったのは大人の事情が見え隠れしています。
直4導入に動いたのはFIAのジャン・トッド会長。この人は元
スクデリーアのディレクター。ミハエル・シューマッハー選手を
引退に追い込んだ人物。一方、直4では会社が傾くイタリアの会
社はV6が絶対条件。
ところで、なぜかスクデリーアはザウバーで凡ミスを繰り返して
いたジャン・トッドの息子がマネジメントするフェリペ・マッサ
なる人物にシートを与え、皇帝の下で修行させて何とか一人前に
育てたのですが、元来の資質に問題があったのか伸び悩み「将来
は風前の灯火」と去年書いたような気がします。
今年のシーズンで評価の高い小林可夢偉選手は、周囲からトップ
チームへの移籍の噂が囁かれています。この業界の噂は「うわさ」
という名の「将来の事実」であることが多く、業界を熟知してい
る人なら真摯に検討する問題です。
先の風前の灯火は噂になっていませんが、これはもう公知の事実
に限りなく近いからで、なぜならばこの会社の要求が通ってV6
エンジンに決まったからに違いありません。
FIA会長の肝入り直4が既定路線のうちは、息子が世話する輩
に給料を払うのはビジネス上の必要経費かもしれませんが、V6
でないと業界全体がダメになると各ステークホルダーが主張して
V6で丸く収まれば、先の経費は不要な出費になります。
もちろん成績不振での交代は一番説得力のある理由ですから、こ
こで赤いクルマのセカンド・シートが空くではありませんか。
すると、誰もが渇望するシートが空くなら、もうすでに埋まって
いるとされる契約だってオプションが行使される可能性が高まる
ことになりますので、優勝確実のヴェッテル以外すなわちウェバー、
バトン、ルノーの2つと4つものシートが流動的になるというこ
とです。
さて、とある筋に言わせると私は自称イタ公なのだそうですが、
そのように言われるということは、自他共に認める特徴なのかな
とも思います。
確かにそういうところはありますし、それ風なことを口走ったり
もしますが、同時に日本への愛国心も持ち合わせているつもりで
すので、今日はそのあたりのことについて書いてみようかと思い
ます。
シルヴァーストンのレース前、ザウバーチームと小林選手の契約
更改がニュースとなりました。その理由はF1キャリアでの恩義
とトップチームに空きがないからというものです。
しかし、チームのランキングでザウバーよりも上のレッドブル、
マクラーレン、フェラーリ、ルノーでシートが空きそうなのに加
えて、何年経っても速くならないクルマに業を煮やした皇帝が再
引退する可能性も残ってますから、より速いクルマにのるチャン
スが到来しそうです。
自身がノッている時期と周囲の評価が高まる時期とトップチーム
のシートが空く時期がマッチするのは、あまり多くない機会では
ないでしょうか。
9月の第2週に開かれるミラノでのイタリアGPでは、スクデリー
アが大きな記者発表を行うことが慣例に近い常識となっており、
その後に他チームのシートも決まっていくことが予想されること
から、それまで果報を寝て待ってもよかったのではないかと余計
な心配をします。
かつて、トップチームに移籍するチャンスがあったという日本人
ドライバーの話もあったことから、もしも今回の契約更改が所謂
バッド・マネジメントによるものだとすれば、もう少しレベルの
高いゲームの戦略思考を持ち込むようにされると良いのではない
かと思いました。
ザウバー・チームが小林選手の契約を売って、三法一両得の漁夫
の利を得るサプライズがあったりすることを期待しています♪
頑張れ、可夢偉!表彰台に上れば来年はスクデリーアだぞ!!!

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グラマー エンジェル危機一発 [Formula 1]
スペイン・ヴァレンシアでのF1グランプリは、やはり最高で
した。南欧の港町は南国情緒感たっぷりで、ヨーロッパの中世
からの都市と南の島の楽園がミックスされたような適度なリラッ
クス感は、スペインの地中海沿いの街だけかもしれません。
と、実際の現実はテレビの前におりまして、牧歌的な気分のな
かで観たのが表題の映画。
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グラマー・エンジェル危機一発
この映画の売りはプレイボーイ誌のプレイメイトが動画で観られる
ということ(笑)ですから、ストーリーや脚本は2の次、3の次であ
ることは言うまでもありませんが、一応はFBI連邦捜査局秘密捜
査課に所属する捜査官が事件を追う話。
懐かしいといいますか、もうとっくに忘却の彼方になっていた80
年代半ばのB級企画もので、意味のないシーン満載の魅力が笑えて
楽しいです。
さて、本論(どちらが本論だ)に戻って、ヴァレンシアで楽しいのは
ホテル屋上のプールから見下ろすグランプリで、このシチュエーショ
ンで目の前に抜きつ抜かれつのバトルが繰り広げられるスペクタク
ルは、ここだけでしょう。モナコにはバトルがなく、シンガポール
にはプールがありません(笑)。
ちなみに、ヴァレンシアのF1をよりよくするにはプラダのボート
ハウスの角からコの字型に曲がる2~5コーナーをストレートにす
れば、運河を渡る橋の手前がマニクーのアデレード・ヘアピンのよ
うになってスペクタクルが一層増すに違いありません。
そんなリラックスした港町を使って、300km/hの自動車レースが行わ
れるのですから、やはり毎年楽しみの一大イベントでした。昨年は
私が泊まったホテルに某名門チームが滞在していて、決勝が終わっ
た日曜の夜にはホテルのバーで一緒に飲んでましたよ。
そういうわけで、見事にまた行きたくなってしまいました。
次はビーチ沿いのホテルにするぞ!(笑)
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Nuestro Gran Premio [Formula 1]
きのう今日と連日の夏日。西新宿一丁目交差点はシチリア・パレル
モのような様相です。クラクラします。

そんな南欧を思い出すと、今週末はスペインの港町ヴァレンシアで
市街地グランプリが開催されるので、現地に観に行ってからもう一
年が経つのかと反省する日々を過ごしております。

ヴァレンシアでのF1レースは、スペイン・グランプリではなくヨー
ロッパ・グランプリという呼称で行われるため、当地では「新しい
グランプリ」という触れ込みでした。商売はそれでも成立ちます(笑)。
商売が成立つといえば、すっかり皆さまお馴染みのヴァレンシアオ
レンジのジュースですが、ヴァレンシアオレンジのヴァレンシアと
はこのスペインの港町が由来であり、日本のスーパーで見掛けるも
のは太平洋の対岸から持ち込まれた翻訳品。
我が国では、食べ物のピザと同様に、南欧のオリジナルをカリフォ
ルニア・ロールよろしく自由勝手にアレンジしたものを、ヴァレン
シアオレンジのジュースと呼んでおり、正真正銘の本物はスペイン
の強烈な日差しの味がする天下一品の自然の恵みです。

こんなことを書いていると、どうしても意識が彼の地に飛んでしま
い、モナコよりも楽しいグランプリをホテル・ネプチューンの屋上
からみたいなあと思わずにはいられず、次回は見渡す限り続く白い
砂浜のビーチで泳ぐんじゃなかったのかとこれまた反省しきり(泳げ
るようになる!という目標はクリアしたのだけれど)です。
そういえば、昨年は「来年もまた来るぞ!」と言ってなかったっけ?
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RedBull RB2.5? [Formula 1]
日本中の皆さまが大々的な新聞報道でご存知の「レッドブル・エ
ナジー・フォー・ジャパン」は、横浜元町の公道走行が大成功に
終わったことで、東日本大震災復興支援のチャリティープロモー
ションが上首尾に終わり、またレーシングカーがイベントで一般
公道を走行できたことによって、ようやく日本も先進国の仲間入
りができました。目出度いです。
そのレッドブルのF1マシンですが、よくみると去年のクルマで
も勿論今年のクルマでもなく、一体いつのものだろうと思って本
日もまんまと駅の東口まで見に行ってしまいました(笑)。

きょう新宿駅の東口で展示されたマシンは、昨日横浜で一昨日は
幕張で走ったF1マシンそのものですが、展示のためだけに新品
のタイヤが付けられてピレッリのロゴまで整えられているのが、
いかにもF1のプロモーションといった趣きです。
今日のイベントは、カシオの最新リストウォッチEDIDICEの発表を
記念したもので、新宿駅の東口は大勢の人で賑わい最前列にはカ
メラを構えたお兄さんたち(私もか)がレンズの砲列を向けており、
朝からイベントは大成功の様子です。
テントの裏側には、チームマネージャのトニーがいたので早速疑
問をぶつけてみると、正解は2006年型RB2に2009年型のRB5
のパーツを取付け改造したハイブリッドカーで、デイヴィッド・
クルタード選手のレースカーだったものだそうです。
それなら、さしずめRB2.5というところでしょうか。

無料でワンショット撮影してくれるというので、さっそく列に並
んで1枚お願いいたしました(笑)。

暑く晴れ上がった現地では、レッドブル・ジャパンの皆さまが恒
例の炊き出しならぬ差し入れをして下さって、盛り上がったイベ
ントの熱に涼も提供してもらえるサービスぶり♪
ちなみに、このチームはオーストラリアから始まってアメリカ、
イギリス、ドイツ、インド等々の国々をプロモーションしつつ、
その間にチーム本拠地に戻ったりと大忙しだそうです。
来週は香港で公道走行だって!
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モナコグランプリ物語 [Formula 1]
日本の週末は台風の大雨でしたが、コート・ダジュールの東端は
空も紺碧で清々しい週末でした。
清々しいのは空と海だけでなく、モンテカルロの公道レースで我
らが小林可夢偉選手が頑張って5位入賞を成し遂げた点も記憶に
残したい特別な週末になりました。

F1のモナコ・グランプリというのは、世界各国を転戦しながら
世界選手権を競う所謂グランプリ・サーカスのなかでも、歴史や
格式や難易度から特別とされてきたのですけれども、数年前にプー
ルサイドのコースを沖合いに拡張してコースが広くフラットになっ
たことやヴァレンシア等のように港町で市街地レースを開催する
ようになったこと等から、その”特別感”が若干減じていたと感
じていました。
しかしながら、今年のTV中継で毎戦解説されるようにピレッリ
のタイヤに加えて、KERSとDRSの規則変更がモナコに再び
「レース」をもたらした結果のひとつとして小林可夢偉選手の入
賞という喜びに繋がったと思います。
今年のレースカレンダーのなかでのモナコという位置づけでは、
DRSが他のサーキットほど作用しなかったため、タイヤのグ
リップとKERSの影響のみであってもレースが大きくエキサ
イティングになる好例となったのではないでしょうか。
とくに従来では考えられにくかったミラボーやタバコ屋といっ
たコーナーでのパッシングは、上述の両者を最大限に活かした
者だけが実現できるものとして新しいレースを楽しませてもら
って、次回観戦するならタバコ屋スタンドの前の方もいいなと
思いました。
スタンドといえば、トンネル前のポルティエがなくなってしまっ
たようで少々残念ですが、ラスカスから最終コーナー前の崖に
はしっかりとスタンドが出来たようで、そちらも一度は体験し
てみたいです。
とはいえ、このグランプリをスタンドで観戦するというのは野
暮なものですから「テラスかボートで」といきたいですね♪

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モデナの朝 [Formula 1]
4月最終週の日曜日朝。モデナ駅近くのホテル。小鳥のさえずり
で目覚める。
中庭に通ずる窓を開けると、ひんやりとした冷たい空気に身震い
するが、冷えて乾いた空気が美味しい。
当時はまだ喫煙者だったので、日本から持っていったヴァージニ
アスリムで一息つくあいだに意識がはっきりしてくるのが分かっ
た。今日はイモラの日だ。
イモラとはフジテレビの呼び方で、彼の地ではイーモラと発音す
る方が正しい。サンマリノ共和国の名を借りてF1が開催される
のは、正しくは近隣にあるイタリア・イーモラのアウトードロモ・
エンツォ・エ・ディノ・フェラーリだ。
イタリアはカトリックの国だから、日曜日は静まり返ったように
お休みばかりだが、特にこのエミリア・ロマーニャの古い中世の
街はひっそりと時間が止まったように感じる。
モデナの駅から各駅停車のレッジョナーレに乗る。ボローニャで
は、真っ赤な装いでひと目でそれと分かる大勢のティフォージが
大声でしゃべりながら乗り込んできた。
ガヤガヤと騒々しい車内と静まり返った大地のコントラストが、
年に一度の大運動会のように今日が特別な日であることを物語っ
ていた。
イーモラの街は、毎年恒例のフォルムラ・ウーノをやはり毎年恒
例のように歓迎していた。駅からサーキットへの一本道には、万
国旗が掲げられ、街の中心にあるドゥオーモ広場ではレースに合
わせイベントが開かれて、興奮した子どもたちが走り回っている。
F40が宇宙に向かって飛び立つようなモニュメントがあるサー
キット入口では、当日券を求める60分待ちの行列が並び、チケッ
トを持っている観戦客と交差する。このちょっとした混乱がイタ
リアだ。
トサを鋭角に回ったモノポストマシンは、小学校脇の上り坂を時
速200km/hで駆け上がる。
アックア・ミネラッリを片付け、坂を下ってきたキミ・ライコネ
ンのマクラーレンは、突き刺さるようにリヴァッツァに飛び込ん
で9時の方向へ2度回転した。
そう、ここはかつてあった20世紀のいつものF1グランプリが
開かれていたのだ。

DHに捧ぐ。
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F1 ガンバレ!日本 [Formula 1]
メルボルンの開幕戦は”らしい雰囲気”があっていいなと思いま
した。来年以降も継続開催してくれることを希望します。
レースの方は、概ね先日の予想のとおりレッドブルが強く、マク
ラーレン・チームがさっそく空力アップデートをしたそうで速く
役者が揃った印象のこちらも”らしさ”があって良かったです。
我らが小林可夢偉選手も頑張ってくれました。
さて、今年のF1はエネルギー回生システムのKERSと、リア
ウィングのフラップを動かして直線の空気抵抗を減らすDRSが
大きな規則変更ですが、ここにタイヤメーカの変更が加わって追
い越しを増やしてエキサイティングなレースにしようという目論
みも成功したようです。
開幕レースを観た限りでは、上記の3つのファクターの力関係は、
タイヤ > KERS > DRSということになりそうです。タイ
ヤの影響力が大きいのはF1に限らず、私たちが普段履いている
ものまで同じですが、興味深いのはKERSとDRSの関係。
KERSは加速時に80PS相当のパワーが加わり、DRSはク
ルマにもよるでしょうが20km/h程度速くなるのだそうです。
まずルールとして、KERSはトラック1周に1回使えること。
DRSは規定区間(長い直線の手前?)で前車との距離が1秒以内
のときに使えること。
すると、前車を追い抜くときにDRSが使いたくてKERSの力
で追いつくと、いざ長い直線で追い抜こうとしたときにKERS
は使えずDRSのみになってしまうので、前車が追い抜かれまい
とコーナー立ち上がり時にKERSを使って引き離せば、前述の
不等式のように追い抜けない。
追い越しを容易にするにはよりタイヤの力で追いつき、いざとい
うときはKERS+DRS併用でないといけないことが分かりま
す。
すると、やはりレースの鍵はタイヤになってきて、性能差の大き
いハードとソフトを両方使わないといけない規則下では、どちら
のタイヤを何処で使ってバトルの増えたレース中に如何にラップ
タイムを確保するが重要な要素になっているようです。
レースに勝つためには、とにかく速いクルマをつくるというセオ
リーが不変だということですが、その中身がタイヤをどう活かす
かというポイントに集約されたと言い換えてもいいでしょう。こ
こも前回の予想のとおりで嬉しいです(笑)。
バトルが多いレースを考えると、やはり予選でのポジションを確
保するセオリーも変わらず、この点スクデリーアは頭でっかちな
設計をしたかもしれませんし、公道コースはある程度犠牲にして
パーマネントトラックでのパフォーマンスを優先したのかもしれ
ません。
サーカスはこの後、マレーシア、中国と暑い国を訪れますので、
そこでのタイヤパフォーマンスが前半戦を占う大きな鍵になりそ
うです。
だからという訳ではなく、イタリアのクルマだからという理由で
すが、私のクルマもタイヤを替えてみました(笑)。
来年はカレンダーもらえるかな?

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Formula 1 - 2011 [Formula 1]
今年のF1サーカスは、本来ならば今日開幕だったところですけれ
ども、開幕戦の地バーレーンの政情不安からキャンセルされ、2週
間後に久しぶりにダウンアンダーのメルボルンで開催だそうです。
今の時分はアデレードもメルボルンも良い季節で、いつもテレビで
眺めながら行ってみたいなあと思っているのですが、ここ数年は興
行的に赤字が続いていてプロモーターが投げ出そうとしているとい
うニュースさえあります。現地でみるなら急がないといけません。
来年のチャンスはあるのでしょうか。
さてそんな事情で今週末は開幕前最後のテストがスペイン・バルセ
ローナ行われており、凡そですが事情が判明しつつあるようです。
冬のテストほど当てにならないものはありませんが、それでも動向
が気になるのがスポーツというものですので、一旦はこれを前提に
眺めてみるのが一興ですね。
今年は、昨年に引き続きレッドブル・チームが好調の様子です。レッ
ドブル・チームはフェラーリやメルセデスのような自動車メーカ系
ではなく、CMでおなじみのドリンク飲料メーカがパトロンになっ
ているプライヴェート・チームですが、そこが筆頭というのが昨今
の面白いところ。
レーシングカーは空力が最重要で、天才レーシングカーデザイナー
のエイドリアン・ニューウィー氏を擁してマシン開発をしているこ
とが鍵を握っています。
空力といえば、今年はフロアリアのディフューザーの形状の規制が
厳しくなったことから、失われた車体底部でのダウンフォースをど
れだけ回復できるかが車体開発上の重要課題になっていて、ボディ
パネルを低く押さえてリアウィングに当たる空気量を増やそうとす
るもの、モノコック上のエアインテークから吸った空気をリアウィ
ング前で排出させて同じ効果を狙うもの、エンジンのエキゾースト
パイプをフロアの最前部に移動させて排気の脈動を利用しようとす
るものなど、様々な新型兵器が投入されていて興味深いです。
これらの派生なのかそもそも王道なのか、マクラーレン・チームは
ボディ横のサイドポッドを鍵型にしてきました。この形状だと衝突
安全基準対策としては不利になりそうですが、それでもやったとい
うことはシミュレーション上ではメリットが大きいという判断なの
でしょう。奇策の印象が強いですが勝てば官軍の世界ですので、こ
れも興味深いです。
もうひとつ、今年からタイヤが変わってピレッリになりました。ド
ライバーの感想ではタレが早いそうですが、レースに追い越しを増
やすための方策なのだとか。安全上問題がなければOKなのではな
いでしょうか。もっともF1チームほどの頭脳があれば、レース戦
術上この程度の問題にはすぐに対応してしまうと思います。
それよりも、タイヤを"持たせる"サスペンション設計のほうが難し
く、ミカ・ハッキネンがチャンピオンを獲った98年とか99年頃
のマクラーレンのようにコーナーの縁石をなんなくクリアしていく
足回りを持ったレーシングカーが現れると、業界標準のラップタイ
ムが塗り替えられそうですから、そういうクルマが観たいですね。
さてさて、我らが日本の小林可夢偉選手ですが、所属するザウバー・
チームのクルマを眺めた限りでは、去年とモノコック共用(?)の
ように見えてちょっと不安です。昨年のクルマは空力上のドラッグ
が大きく、今年のトレンドはドラッグを極限まで減らすクルマです
ので、想像が当たらないことを祈っています。
それはそうと、小林選手の今年の課題は安定した高いパフォーマン
スで、金曜より土曜、土曜よりスタート、スタートよりゴールと安
定して高い結果を出すことでしょう。
観戦する立場としては、たくさんバトルを見せてくれるのは応援し
甲斐があっていいのですが、今年はこういうタイヤですので昨年と
同じ戦法を採りにくいという点からも、「安定した高いパフォーマ
ンス」がトップチームに繋がるアピールになるのではないかと考え
ます。
それで、じゃあ私のF1はどうしよう?と思っていたりいたしまし
て、タレるタイヤと追い越し用の可変ウィングを楽しむなら、モン
トリオールの最終コーナーか、シルバーストンのストウ・コーナー
か、モンツァの1コーナーかというところですが、まさか全部は大
変ですので、アルバート・パークの映像でシミュレーションしてみ
ましょう(笑)。
オー・ルージュの坂の手前でリアウィングを寝かせるのが奇策だっ
たりして!
Blogs Of The Blog [Formula 1]
いつも拙ブログをご覧頂きまして、ありがとうございます。
新年もよろしくお願いいたします。
さて、この他愛ないブログもお蔭さまで面白いと言ってくださる方
がいて、なかには毎日お読み下さっている方もいらっしゃいます。
書いている当方は皆目文才がないので、大変ありがたいと深謝しつ
つもどこか申し訳なく、かといって、ある日突然止めてしまっては
反って申し開きの余地もなく、もう少し面白いことが書けないかと
反省の日々を過ごしております。
そんな、流浪といいますか奮闘努力の甲斐の果てに涙の陽が落ちる
ような日々の積み重ねも、振り返ってみると取り上げる分野は10
以上にのぼり、テーマ毎に分かれていた方が読みやすいというお声
もいただきましたので、カテゴリ毎に整理をしてみました。
オリジナルブログ(総合)
http://plaza.rakuten.co.jp/gyosyo/
総合ブログ(ミラー1)
http://ameblo.jp/mack-inomata/
総合ブログ(ミラー2)
http://blog.livedoor.jp/mack_inomata/
ビジネスブログ
http://sky.ap.teacup.com/mackinomata/
ワールドブログ
http://blogs.yahoo.co.jp/mack_inomata
世界一周ブログ
http://mack-inomata.seesaa.net/
世界遺産ブログ
http://blog.qlep.com/blog.php/185885/
アート・ファッションブログ
http://www4.atword.jp/mackinomata/
クルマブログ
http://mack-inomata.webdeki-blog.com/
F1ブログ
http://mack-inomata.blog.so-net.ne.jp/
コーヒーブログ
http://mackinomata.dtiblog.com/
ウィスキーブログ
http://blog.goo.ne.jp/mack-inomata
食べものブログ
http://yaplog.jp/mack-inomata/
ラーメンブログ
http://mack-inomata.jugem.jp/
音楽ブログ
http://mack-inomata.at.webry.info/
映画ブログ
http://makinomata.exblog.jp/
ITブログ
http://mack-inomata.fruitblog.net/
その他ブログ
http://mackinomata.blog53.fc2.com/
上記を俯瞰していただくとお気づきの通り、概念として大小の関係に
あるものがあり(例、食べものとラーメン、クルマとF1等)、ブログ
記事は一部重複いたします。何より、私が好き勝手気侭に書いていま
すので、映画ブログに酒の話どころかF1ブログにM&Aの話すら混
在する始末ですので、カテゴリ毎のブログはテーマを絞るという意図
ではなく、あくまで記事参照の便宜上の整理とご理解ください。
もし私のブログが面白いとお感じいただけているのでしたら、それは
おそらく興味本位とフィクション/ノンフィクションが混ざり合う修
辞的要素と表現の稚拙さを補うに不十分な落語調が、例えるなら外国
人の噺家さんの高座のような時間になるからではないかと、西に行っ
て上野左に行って御徒町でございます。
今後ともご贔屓のほどを。
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Segafredo [Formula 1]
があることに気づきました。

いつもコーヒーは幸か不幸か自分で焼いたものを飲んでいまして、
外で飲むときはillyくらいなのですが、雑用に追われて一息
つきたいときに目に入って思わず飛び込みました。これも潜在意
識のなせるわざですね(笑)。
初めてSegafredoを知ったのは、アイルトン・セナがウィリアムズ
チームに移籍した94年のことで、美しいロスマンズ・カラーが
カラーコーディネートされたFW16のディフレクターに、ここ
のロゴがベタっと貼り付けられていたことがきっかけでした。
その後数年して日本でも店舗展開が始まり、初物好きは何とやら
とさっそくカフェ(日本でのエスプレッソ)をオーダーしたら、え
らく苦いもので驚きました。
お店の扉をくぐるときには、そんなことが脳裏を過ぎったのです
が、カフェが出てきてよく見てみたら傍にチョコレートが一片つ
いていまして、これをズッケロ(砂糖)の代わりに食べながらエス
プレッソをそそるとこれがなかなか乙な味で、次回はカッフェ・
グランデでやってみようと思います♪
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可夢偉万歳! [Formula 1]
先日、三重県は鈴鹿市で行われたF1日本グランプリで、我らが
小林可夢偉選手が大車輪の活躍を見せ、日本中を沸かせてくれま
した。
マスメディアの報道では7位入賞という表現になるのですが、彼
の前の6台は、今年のワールドチャンピオンを競っている5人と
ミハエル・シューマッハーですし、さらにうち4人はワールドチャ
ンピオンという顔ぶれです。つまりは、先頭集団に食い込む活躍
だったという見方ができると思います。
レースでは、”牛蒡抜き”というようなオーバーテイクを毎ラッ
プのように連続でみせてくれたのですが、さらに素晴らしいのは
通常F1マシンでは追い抜きが難しいヘアピン・コーナーでのバ
トルだったことです。
数度に亘る追い抜きのなかで、ヘアピンの外から仕掛けて追い抜
くのは初めて観て驚きました。かつてエディ・アーバイン選手が
逆バンク(といいますか、私の目の前で、笑)でジャック・ヴィユ
ニューヴ選手をパスしたときの衝撃を思い出しました。F3じゃ
ないんだから(笑)。
鈴鹿サーキットは、歴史が長いこともあり、世界有数のチャレン
ジングなコースとして有名ですが、ここ数年は年々上昇するマシ
ンの性能に対応するように安全対策が強化されて、走っているド
ライバーも観ているこちらも少し安穏とした雰囲気が流れ、レー
スも淡々とした印象になりがちでしたが、今年はその予測を大い
に裏切ってくれました。
レーシングドライバーというのは、意外と色んなことを考えなが
らレースを走っているようですけれども、今回の小林可夢偉選手
は、ただひたすらに「前に行く」ということだけしか考えず、余
計な打算や迷いのないよい意味でキレた走りをしてくれて、観て
いるこちらも清々しく晴れ晴れした気持ちでいられました。
日本人が日本GPでこういう走り方を見せてくれたのは、星野一
義選手、片山右京選手、佐藤琢磨選手以来だと思います。
先述のチャンピオンシップ争いを眺めてみると、赤いクルマの片
方が心もとなく、昨年エンジンを供給しているチームからドライ
バーをトレード獲得したことを考えれば、エンジン代金と引き換
えに小林可夢偉選手が7番のクルマに乗るようなことになれば、
日本のF1も本当に新時代に入るでしょう。
殻を破った新世代の日本人ドライバーの登場を称えて、周囲の我
々も殻を破れるように、スクデリーアの赤いスーツを着る小林可
夢偉選手を望みたいところです。
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F2007 [Formula 1]
スクデリーア・フェラーリの、現時点での最後のチャンピオンマシ
ンがF2007。
文字通り2007年のモノポストマシンで、日本では富士で開催さ
れたグランプリにおいてキミ・ライコネン選手が100Rでディ
ヴィッド・クルサード選手のレッドブルに大外狩りを掛け、チャン
ピオンシップ崖っぷちに残ったクルマですね。
このクルマは空力パッケージとしても前世代最後のマシンに当り、
翌年からは設計思想から完全に変更になるにも拘わらず、選手権の
加熱と共にモディファイが加わり、最後にはゴシック建築さながら
の細かいパーツが盛り沢山としてマニア御用達の一面もあります。
このモンツァではフェルナンド・アロンソ選手が大金星を挙げチャ
ンピオンシップの崖っぷちに残りました。このマシンが「最後の」
称号を冠する日はもう短いのでしょうか。





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パラボリカのキメイラ [Formula 1]
あれはまだアイルトン・セナが現役だった頃、F1サーカスのヨーロッ
パラウンド開幕戦にあたるイタリア・イーモラでのサンマリノGP
のことでした。
トサコーナーの手前にかかる黄色いサーキット看板にSINT2000のパッ
ケージと共に描かれていたのは、イタリアは石油公社Agipのブランド
シンボルであるキメイラです。
当時のAgipはスクデリーアの公式パートナーだったので、フェラーリ
の赤いサイドポンツーンには、火を吹く6本足の牡山羊が誇らしげに
掲げられていて、我が国でもそのチームの栄光とともにエンジンオイ
ルといえばAgipが相場なのでした。

F1ブームの勢いに乗って、極東の島国ではプリントされたアジップ・
ドッグが人心を掴みましたけれども、本国の看板のキメイラは一体
一体姿かたちが微妙に異なり、しかもそのラインが生きているのです。
そうです。イタリアのアジップ看板は看板職人による手描きだった
のです。
TVの画面を通じてその事実に気づいたとき、プリントでOKの他の
諸国と生きることに本物の情熱を求める彼の国の決定的な違いを見せ
付けられたように衝撃を覚えたものでした。
その衝撃は自分のクルマのエンジンでも同様で、Agipのオイルを入れ
たエンジンはフリクションが著しく低下しスロットルレスポンスよく、
媚薬の魅力に満ちた生き物のエンジンに生まれ変わったものです。
その後、スクデリーアのサプライヤーがAgipからshellに変わり、メ
ディアでの露出減少とともにAgipの製品展開にも変化がみられたか
らか、昨年からAgipのキメイラは親会社の公社を示すENIのキメイラ
にそのイメージスイッチを起こしています。
今週末にミラノ郊外モンツァで行われるスクデリーアのタイトルが
掛かった伝統の一戦では、そのタイトルの鍵を握る最終コーナーの
パラボリカで、例年同様キメイラがニケに代わって勝利の神を務め
ることになるでしょう。

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スパ・フランコルシャン [Formula 1]
伝統的なサーキットで夏休み明け最初のグランプリがありました。
F1は、そもそもヨーロッパのスポーツですが、昨今は時代の変化
で伝統的なサーキットでのレースが随分と印象を変えているところ、
ここスパでのレースは往年のグランプリの雰囲気を色濃く残してい
て好きです。
今回も名物の雨が振ったり止んだり、セーフティーカーが出たり入っ
たり、抜きつ抜かれつにスピンにコースアウトと、自動車レースの
醍醐味がテンコ盛り状態で最高でした。
いかにも「らしい」グランプリで最高のスパフランコルシャンは、
Googleで検索すると、サーキット上を示す地図が表示されて面白い
です。
その地図をみると、サーキットガイドには「スパ村とフランコル
シャン村に跨って・・」とイタリアのフィオラーノのようなことが
書かれていますが、実際はまさにピスタと同様に片一方の村である
割合が大きく、ここはほとんどフランコルシャン村であることが
分かります。
海外F1ツアーを主催している旅行会社の情報では、毎日ブリュッ
セルに泊まってクルマで往復する日程ですので、東京に泊まって
静岡・小山まで日参するイメージのようです。
が、個人でそんな日程は組めませんので、もっと次元大介風な行動
予定を考えてみたいです♪
感謝!
Goodwood Festival Of Speed [Formula 1]
一度楽しみにしていたのがグッドウッド・フェスティヴァルの記事
でした。
あろうことか各モータースポーツの歴代チャンピオンや現役チャン
ピオンが、その当時の車両で走行したり今年のF1マシンが走った
り(!)するのです。
しかもCG-TVなどを観ると、訪れているファンの本当に目の前
から出て行ったり戻ってきたりと、今やグランプリサーカスが失っ
た純粋な愛好心が強く残っているイベントで、以前は佐藤琢磨選手
なども参加したことがあったと思います。
それらを貪るように読んで、いつか観にいってみたいと思っていま
した。
今年のテーマは「Viva! Veloce!」ミラノ・の名門です。

エントランスを通ると、まずは出展各自動車メーカのモーターショ
ウ・ブースがあって、一頭最初の特等席はアルファロメオ、ご当地
初のお目見えとなる新型アルフェッタが乗り放題という気配りがな
されていました。
もうこのあたりのブースを眺めているだけで半日過ごせそうですが、
それではこのイベントの20分の1も参加したことにならないので
先に進みます。
先に進むすぐ脇が名物のヒルクライムコースのスタート地点となっ
ていて、圧縮比の高いレーシングエンジンのブリッピングがエンスー
ジャストの理性に殴り込みを掛けてきました。
コースでは、F1をはじめラリーカー、ツーリングカー、GPバイク
等がどんどん駆け抜けていくのですが、いわゆるイベントの例で次
に何がやってくるか分からないので、その場からなかなか離れられ
ません。
次は何かと思っていたら、今年のグランプリ・カーだったりするの
です。

あちこちのお宝に足を止められてノロノロしているうちに、当日の
来場者は10万人を越えた模様。それでも、機敏で熟練したマーシャ
ルと”間合いを心得た”観客との阿吽の呼吸で、現役F1マシンの
走行もまったくストレスレスに進行していくのが、見事の一言をお
いて他に言葉がみつかりません。

このイベントを模して、日本でも同様の企画がなされたことがあり
ましたが、年を重ねるごとに出展者も来場者も当初の熱意を忘れて
いったように感じられることがあって、熱意を取り戻すために必要
なのは「クールとリザーブだ」とお伝えしたいです。
感謝!
Formula 1 Telefonica Grand Prix of Europe [Formula 1]
スペインはヴァレンシアで開催される、ヨーロッパグランプリと名
付けられた、スペインでの今年2回目のF1レース。スペイングラ
ンプリは例年5月にバルセローナで開催されますから、今年のスペ
インはなんと2ヶ月連続開催です。
街のポスターには新しいグランプリと名打ってありました。


1国1開催が原則のF1サーカスにおいて、ヨーロッパとかパシフィッ
クといった地域名が充てられて特別に開催されるのは、その地域で
F1人気が高まるからで、スペインで開催されるのは地元出身のド
ライバーであるフェルナンド・アロンソ選手が2年連続チャンピオ
ンとなってスペイン中でF1人気が高まったからでしょう。


面白いのは、ヴァレンシアには別の場所にサーキットがあるのにも
拘らず、港に面した道路と貨物駅跡を整備して公道レースのイベン
トにしている点です。
私は、初めて観たときからこのコースが気に入ってしまって、いつ
か観に行くぞと思ってきたので、ようやく念願が叶いました。
現地を訪れてみると想像以上に素晴らしいロケーションで、最近造
られるパーマネント・サーキットより良いレイアウトではないかと
思っています。
予選を観戦したのは、イモラのトサを思い起こさせる裏のヘアピン
から立ち上がり、加速しながら左右右とシフトアップしていく地点。
決勝は、橋の手前にある直角コーナーの200m前、それぞれスタ
ンドの最上段で、遠くまで長く見渡せる良い場所でした。
予選・決勝ともにレッドブルとマクラーレンのクルマが安定して速
く、今回大幅なアップデートで話題になったフェラーリはイマイチ
ダウンフォースが足りず、フラップ寝かせてドライバーが頑張るセッ
トのようです。


テレビや雑誌でF1に触れていると、マスメディアで色々と情報が
ありますが、例えばある自動車メーカのエンジンをいくつかのチー
ムが使用しているときに、エンジンが同じでもシャシーの性能によっ
て順位が大幅に変わります。
また、かつてのベネトン/リジェとかレッドブル/トーロロッソの
ように、シャシーがほぼ同じでもエンジンが違えばやはり順位が変
わります。
何より、同じチームで2台走らせていても、ドライバーが違えば順
位が違います。
これらの複数の要素のそれぞれでスポーツが行われているのが、こ
のレースの良いところだと思います。
この週末に眺めたところで光っていたのは、ヴェッテル選手、ハミ
ルトン選手、クビサ選手、バリケロ選手、そして我らが小林可夢偉
選手です。
とくに最後の2人は素晴らしく、バリケロ選手はレース終盤に惜し
くもクルマを止めてしまいましたが、可夢偉選手は最後の最後まで
古いタイヤで予選のように攻め続けて、ドラッグの大きいクルマで
マクラーレンのバトン選手を抑え続けたところや、ソフトタイヤを
必要最小限の使用に止めたところ、フェラーリのアロンソ選手を抜
いたところの3点は大いに評価を上げたのではないでしょうか。
公平にみても、今回のグランプリは小林可夢偉選手が金星を取った
話題のレースとして記録されると思います。
赤いクルマのチームは冴えない方を交換(去年フィジケラ選手を獲得
した方法が使える)して、この2人で戦ったらどうかと思います。
もし小林可夢偉選手がチャンピオンになったら、お台場か山下公園
か、熱海/伊東あたりで、パシフィックGPと洒落込みたいですね。
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感謝!
RedBullエンジニアリング [Formula 1]
りました。
開幕前にレッドブル・チームの優勢を予想したので、予想が当って
密かに嬉しいです(笑)。
蓋を開けてみたら、予選は滅法速いものの決勝のレース距離を走る
とトラブルに見舞われることが多く、機械の信頼性に疑問符がつい
ていましたが、2戦前のスペインGPあたりから問題なく完走する
ようになってきて、ライヴァルであるフェラーリのフェルナンド・
アロンソ選手などは「なぜレッドブルが速いか分からない」と興味
深いコメントをしています。
さて、当初レッドブル優位を予想したのは次のような理由からです。
昨年からシーズン中のサーキットテストが禁止となりました。そこ
で各チームが考えることは、次の2つです。
シーズンが始まる前に出来るだけ走って、設計数値と実測数値の違
いを計測し、クルマを理解すること。
あるいは、クルマの開発を出来るだけファクトリーで行って、サー
キットで走らずともマシンの開発ができる仕組みをつくること。こ
れはコンピュータシミュレーションを最大限活用することと同義で
しょう。
実際には、この2つの方法を両方採用するのが現実的でしょうが、
シーズン中も開発を継続することや、長期的にサーキットテストが
従来のように自由に行える環境の復活が考えにくいことから、後者
にウェイトを掛けるのが正攻法になりそうです。
もう一つの理由は、レッドブル・チームの開発責任者が空力の鬼才
と呼ばれるエイドリアン・ニューウィー氏だからです。
良いレーシングカーを作るためには、軽く低くパワフルなことが大
切ですが、最後のパワーについてはエンジン規制が厳しいので、ほ
とんど横一線。
すると、どれだけ軽く低く作れるかが勝負ということと、現代のレー
シングカーには空力が非常に大切だということ。この両方を得意と
しているのがニューウィー氏です。
加えて、レッドブルは昨年からシーズン前のテストにほとんど姿を
現せずに、開幕直前までファクトリーでの開発を選択してきたこと
から、ファクトリー開発だけで「走るマシン」を開発する体制を作
り上げることに成功したのではないかと見ました。
あるいは、一つの考え方として、もしフライアウェイと呼ばれる開
幕数戦を「テスト」としても、その後の16戦で滅法速ければ「闘
わずしてチャンピオンを獲ることができる」皮算用すら成立します。
今年からレース完走順位のポイント差が拡大したことと、レース中
の給油がなくなったことも追い風です。
これらのことから、レッドブルチームは他チームよりも机上の開発
で優位に立つことに成功しつつあるように見えます。これが予想の
根拠でした。
さて、ここで興味深いのはアロンソ選手のコメント。
ライヴァルの筆頭であるフェラーリのエースドライヴァーが「ライ
ヴァルの速さの秘密が分からない」と言った。
この発言の背景には、フェラーリチームのライヴァル解析の結果が
含まれていることを含めて捉えなければならないでしょう。
このトルコGPで800戦を迎えようとするF1きっての名門が、
プライヴェートチームの速さが分からないというのは、少々奇妙な
話です。
先述した空力などは、現代ではすぐにコピーモデルを作って解析す
ることが可能となっていて「見える部分」の秘密を維持することは
難しいです。
すると「見えない部分の秘密」が競争優位の源泉かもしれません。
エンジンほぼ一定、外観の秘密はほとんどなし。すると「軽さ」と
「見えない部分の空力」の可能性があります。
軽く作るためには軽い素材で作ればいいわけですが、使える素材は
決められていて、魔法のような機械は含まれていません。
残るは「作り方」です。
F1マシンの多くは、カーボン素材を加工して作られていますけれ
ども、近年はその形状が複雑化を増しています。カーボン素材は、
いわゆる布地ですが、3次元形状を作るためには「切った貼った」
が発生して、その「切り方」「貼り方」で重量に大きく作用します。
ニューウィー氏は研究室に篭もるタイプで、ご自分でパーツに触る
ことがあるそうですから、カーボン素材の加工に職人的英知を持っ
ている可能性があります。この設計と加工の両分野に跨った人材が
チーフエンジニアということ。
さらに、マシンの内側を流れる空気すらデザインするようになって
きていることから、この点でもチーフエンジニアがボディのなかの
空気の流れを「見えている」ことが、ファクトリー開発の精度向上
に重要な一役を買っているように思います。
レッドブルに載せられるルノーエンジンが、ワークスチームよりも
熱による耐久性に厳しいと言われるあたりも、この点を説明するも
のの一つとして考えられるのではないでしょうか。
今シーズン前半の天王山となりそうなトルコのグランプリが非常に
楽しみになっています。

感謝!
Week-end de la Mediterranee [Formula 1]
F1-2010 [Formula 1]
かバーレーン。
資源獲得競争が厳しくなる環境下で、競争激化の優先順位が高い原
油産出地域で世界興行スタートのファンファーレを吹くのは、Mr.E
一流のリップサービスと捉えるのは私だけではないでしょう(笑)。
私個人としては、南半球のオーストラリアで開幕するのが、新しい
シーズンのスタートに相応しい新鮮さがあるような気がして、気に
入っていましたので、ちょっとまだ違和感があります。
さてさて、今年のサーカスは色々と変化があって面白そうです。
まず、給油の禁止。
F1レースというのは、Formula(規定)ナンバー1の競走という意味
ですので、Formulaカーのスプリントレースの頂点という意味合いを
もっています。
Formulaカーの車体もレース距離も大きくなっていって、その頂点が
F1になることから、本来はレース途中で給油するという考え方がイレ
ギュラーだったのですね。だから今年から本来の姿に戻るということ
になります。
200kg以上の燃料を積んだときのレーシングカーの動きとドライバー
の腕、レース終盤の燃料が少ないときの動き、タイヤの磨耗時の動き
とドライバーの腕が見ものになりそうですので、こちらも本来のドラ
イバーズレースの姿が観られると楽しみです。
そういう要素を含めて、今年はどのチームのクルマがベストカーで
しょうか。
開幕前の情報をみていると、従来はテストで走りこんだ量の多いチー
ムが速かったものですが、最近はテストが出来なくなってきています
ので、ファクトリーでのエンジニアリング技術がものをいうように
なってきているようです。
レッドブル・チームなどは、3回のテスト機会のうち最初の1回は
パスしてまでファクトリーでの開発を優先させています。
昨年も同じ手法でベストカーになりましたから、今年も同じ手法が
当るとしたら、新しいエンジニアリング技法が確立されるかもしれ
ません。そういう期待でレッドブルに注目しています。
つぎに、新規チームの参戦。
今年から新規に参戦するチームが増えることから、レースの醍醐味が
増すことが期待されています。
私自身は走っているクルマに興味があって、チームに関しては関心薄
なのであまり詳しくないですが、TVを楽しみにしています。
最後に、やっぱり小林可夢偉選手の参戦!
昨年の終盤2戦にエントリーして光る走りを見せてくれたのが、今期
のレギュラーシートに繋がりました。日本人でこういう現れ方をした
のは佐藤琢磨選手に続いて2人目。こういうパターンは、将来が嘱望
される選手にみられる登場の仕方ですので、大いに期待できそうです。
併せて、将来チャンピオンを獲得するには、少なくとも次のことを全
てクリアする必要が条件になりそうです。
1.切れた速い走りをすること(一頭群を抜くスピードをみせる)
2.常に上位に食い込み前戦よりも良い成績を残すこと(競争強さの
ポテンシャルをみせる)
3.チームのナンバー1ドライバーで居続けること(チームを味方に
つける)
セナもアレージもハッキネンもシューマッハーもアロンソもライコネ
ンもハミルトンも、こういうドライバーです。
ということは、上記の条件を知ってから知らずかバトンが移籍したの
は正解かもしれません(笑)。
週末が楽しみになってきました♪

感謝!
マジックアワー・グランプリ [Formula 1]
2009年のF1サーカスも先週末で終焉を迎えました。17戦の
最後を飾ったのは、今年初開催のUAEことアラブ首長国連邦。
アブダビGPと名打った新グランプリは、マリーナ沿いに建設され
たユニークなサーキットで開催されました。
このユニークな面はいくつもあり、コース脇にマリーナがあること。
ピットロードがホームストレート下を交差すること。コースの上に
ホテルが建っていること。レースが夕暮れにスタートし、ゴール時
には夜になっていること等々です。
サーキットというのは、文字通り”どんなに曲がっていても”最終
的には円を描いているので、クルマは360度のどの方向も向いて
走りますが、夕暮れ時にレースをして太陽光線がまぶしいので危険、
ということはなかったのでしょうか???
そういった細かいことをさておくと、新しい場所で新しいスタイル
で行われたグランプリは、テレビ越しに観ているこちらにも非常に
魅力的に見えました。
サーキットというのは、大抵の国々では郊外に建設されるのが一般
的ですので、晴れれば暑く、風が吹いたり雨が降ったりすれば寒い
という観客にとっては快適とは程遠い環境に出掛けることになりま
す。
また、そういった田舎で開催されるスポットのイベントに数万人が
集まるからといって、宿泊施設が十分にあるとも限りません。
つまり、観客にとってレースを観に行くというのは、ディズニーラ
ンドに出掛けるようなイメージのものではありませんでした。
しかしながら、アブダビではサーキットのコース上にホテルがある
訳ですから、そこに滞在すれば快適な部屋からレース観戦ができる
という仕組みです。
「そんなのレースじゃない」と仰る方がいらっしゃるかもしれませ
んけれども、熱心なマニア以外の方には快適性というのが十分にア
ピールする魅力ではないでしょうか。
加えて、レースは夕暮れ時に開催され昼と夜の顔を楽しめる。
自動車を使ったショー・スポーツとしては、21世紀スタイルの最
高レベルのイベントだったように感じました。
私も海外でグランプリを観ることがありますが、ここほど出掛ける
ことに期待感を抱かせるところはないかもしれません。
このスポーツのイベントとしての側面を考えたとき、海外から観戦
に訪れる人が一定数あることは既存の事実ですから、海外からの観
光客を誘致するためのよいプロモーション媒体という側面をもって
いることになるでしょう。
すると、大都市に近く、国際空港からも近く、アクセスもよく、ホ
テルもあって、エンターテインメント性も兼ね備えている。こうい
うサーキットが21世紀のグランプリサーカスで表舞台に踊り出る
時代に入った、という風に理解すべきかなと思いました。
既にヨーロッパ諸国の伝統的なクラシック・サーキットからはグラ
ンプリイベントが消滅しつつあり、成長性ある国々に開催国が移り
つつあります。
日本も第三世界に転落しないよう(マジックアワーに飲み込まれな
いよう)、大胆に自己革新をする元気を出して未来への成長性をア
ピールする必要がありそうです。
感謝!
グランプリ・レースと鈴鹿市 [Formula 1]
夜通しクルマを運転し早朝の鈴鹿ICを降り、インター入口交差点
角にあるコンビニに入ると、店内はイベント開催時の賑わう商店の
風景です。その瞬間、「ああ、今日は鈴鹿でF1があるんだな」と
実感しました。
と同時にこの実感は、鈴鹿市民の方々もご同様だったのではないで
しょうか。インターチェンジからサーキットに向かう田んぼの中の
一本道では、目的地に近づくにつれて「P」と臨時駐車場を営業す
る地元の皆さまが、朝早くから街道沿いに出て精を出していらっしゃ
いました。
サーキット近くの渋滞でクルマをとめると、地元の人々がみな笑顔
なのに気づきます。どうやら鈴鹿市の皆さまも、3年ぶりにF1グ
ランプリが地元に帰ってきてとても喜んでおられるご様子。これは、
どこに行っても同じ印象でしたから、本当に地元を挙げてF1を招
いていらっしゃる、そういう熱意のようなものを感じました。
さて、サーキットのメインゲートに着くと「ただいま、SUZUKA。
おかえり、日本グランプリ。」と意味のよく分からないキャッチ・
コピーがファンを出迎えます。

クルマのCMなども含めて、ホンダ関連のキャッチコピーは随分前
から、どこか他人行儀というか、ストレートな表現を使わない、透
かした明後日を向いたような言葉遣いで、スッキリしない認知的不
協和を味わっていたので、一頭最初に鈴鹿にやって来たときにはど
こか居心地の悪さのようなものを感じていました。
それでも、ここ2年間は静岡の富士で開催され今年は3年ぶりの鈴
鹿開催でしたので、なんというか、憑き物が落ちたような落ち着き
が感じられる良いグランプリだったと思います。
そういう本体の腰の落ち着きといいますか、情熱の篭もったやる気
のようなものが関係各方面にも伝わったのではないでしょうか。
おそらくは地元の高校生と思われる、ゲートでチケットをチェック
する係員や案内係の若い子から、お掃除に精を出されるおばちゃん
達、場内整理係の男士達などなど、ホンダとサーキットだけでなく、
F1は地元を含めた鈴鹿全体のイベントなんだ、という一体感が伝
わってきて、お邪魔しているこちらも胸が熱くなる気持ちの良い経
験を楽しませていただきました。
昨年のリーマンショックを経て、チーム参戦とグランプリ開催の両
方に携わっていたホンダとトヨタですけれども、ホンダはチーム参
戦を取り止めグランプリ開催を継続、トヨタはグランプリ開催を取
り止めチーム参戦を継続するように選択が分かれました。
同じ自動車産業の同じF1プロジェクトに対して、企業判断が見事
に分かれた好例になっている訳ですが、この選択の意図が正しく社
会に伝わったのはどちらなのだろう?と想像を巡らせました。
今年のグランプリは、日本にとっても鈴鹿市にとっても、文化レベ
ルが一段引き上げられた充実したイベントでした。こうして着実に
日本にF1が定着し、歴史と伝統が積み上げられていくのだろうと
思います。

感謝!

















